<1月10日(水)放送>
あなたは知っているだろうか?
今や日本は“盗聴天国”という現実を。
狙われたのは市役所、陸上自衛隊の施設…
しかし、こうした盗聴被害は氷山の一角に過ぎないという。
「霞ヶ関は盗聴天国」。

取材を開始してすぐ(私達は)信じがたい現実に直面した。
受信機に、突然飛び込んできた謎の会話。
盗聴調査12年のエキスパート、TRS代表の酒井賢一氏は、
その正体をこう説明した。
酒井氏
「コードレス電話です。盗聴器ではないです」
それは、近くで使用されているアナログ方式のコードレス電話。
つまり、電話の会話が筒抜けなのだ。
アナログ方式のコードレス電話は
親機と子機の間の電波が、一定の周波数で発信されるため、
受信機の周波数を一度合わせれば、誰でも会話を傍受できるという。

会話は、次々に飛び込んできた。
「はい、農林水産省設計課です」
「○○係長、お願いします」
続いて…
「国土交通省○○課の○○と申します」
「お世話になっております」

官公庁の電話だった。アナログ方式のコードレス電話が使われているのだ。
さらに…
「品川335、○の、○○○です」
「わかりました、長官はお一人で?」
ある官庁の長官を乗せる車のナンバーが漏れ聞こえてきた。
果たして、これは偶然なのか?
私たちは試みに、国土交通省のある部署に電話を入れてみた。
もし、記者と職員の会話が受信機から聞こえてきたとしたら、
アナログ方式のコードレス電話が使われていることになる。
この会話を受信機がキャッチした。
つまり、記者と職員の会話がそのまま傍受できる状態なのだ。
国土交通省のあるセクションでは、
アナログ方式のコードレス電話が使われ、
日常的に電波が漏れていることがわかった。
霞ヶ関の官公庁街では、こうした電波が至るところで
飛び交っていると酒井氏は指摘する。
酒井氏
「(アナログ方式コードレス電話は)周波数を合わせることで誰でも聞けてしまいます」
「そういった意味でセキュリティー的にはかなり低い」
「一般家庭でもできるセキュリティーが日本の心臓部である霞ヶ関ではされていない それはどうかと思います」

私たちは霞ヶ関の官公庁を対象とした緊急のアンケート調査を実施した。
一体、どれほどのアナログ方式コードレス電話が使われているのか?
その結果・・・。
33省庁のうち6省庁がアナログ方式のコードレス電話を使っていると答えた。
しかもそのうち5省庁が「危険性は知っている」と答えながら
アナログ方式を使い続けているのだ。
情報防衛に詳しい元公安調査庁幹部は次のように指摘する。
「日本はスパイ天国だと言われている、簡単に何でも盗れる状況です」
「日常的に、いろんなところで秘密の漏洩、情報の漏洩がある」
「情報を守るという意識の改革が必要だと思います」
この取材後、霞ヶ関の官公庁街では、アナログ方式のコードレス電話の使用は
減ったという。
(※今回の特集の動画はありません)